今だからこそ、全国とつながる!SCリレー・メッセージ

コロナ禍に負けない 「今だからこそ,全国とつながる!SC(セレクト&コメント)リレー・メッセージ」第80弾

更新日:2022/01/25

【第80号メッセージ執筆者】 福澤 諭 氏(第6期生)

埼玉県羽生市から全国の同窓生の皆様へ

 

グアム日本人学校の子どもたち

「 支 」

 教師十年目に担任した一年三組十九名の児童は,私の自慢の子どもたちである。その中にJ君がいた。J君は未熟児網膜症で産まれ視力を失った児童である。全盲の彼が普通学級で健常児と一緒に勉強することになった。初めは戸惑うことも多かったが,本人の努力とボランティアの支援,友達の理解と協力により学校生活を楽しんでいた。

 登り棒に挑戦したときには,子供たちがみんなで「後一m。後五十cm。がんばれ!」と声をかけ,とうとう登りきったJ君。みんな「バンザーイ」と笑顔一杯になった。

 理科の時間にアリ(昆虫)の勉強をした。昆虫は,頭・胸・腹に分かれていて足は六本,触覚が二本を観察するのだが,友達が捕まえたアリをJ君の手の上にのせても逃げてしまう。そこで子供たちは,粘土でアリを作りJ君に触らせ理解させようと一生懸命に取り組んだ。

 J君はその後,公立の中学校,普通高校に進学した。中学校の吹奏楽部で始めたトランペットを続け,武蔵野音楽大学を卒業した。

 折しも今年東京オリンピック・パラリンピックが開催された。障害が有る無しにかかわらず目標に向かって全力を尽くす選手たち。一人ひとりの良さを認め合い,支え合い共生する社会。テレビの画面を見ながら,あの頃のJ君を,一年三組の子供たちを想い出した。私の誇れる自慢の教え子たちである

 

 

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