今だからこそ、全国とつながる!SCリレー・メッセージ

コロナ禍に負けない 「今だからこそ,全国とつながる!SC(セレクト&コメント)リレー・メッセージ」第172弾

更新日:2022/11/15

【第172号メッセージ執筆者】  赤神 正倫 氏(第14期生)

北海道釧路市から全国の同窓生の皆様へ

 

 

「 力 」

12年前に身をもって感じさせていただいた“学校の力”

 

 2011年7月、卒業以来およそ30年ぶりに仙台の街を訪れる機会を頂いた。北海道教育委員会が仙台市と提携して取り組んだ、教育復興支援の派遣団の一人としてである。仙台市教育委員会の計らいを受け九ヶ月間にわたり仙台市立七郷中学校へ赴任し、佐藤 一拡校長先生はじめ多くの先生、職員の方々にお世話になりながら過ごさせていただいた。赴任のため仙台港に到着し対岸に打ち上げられた大きなタンカーを目の当たりにし、大きなショックを受けたのと同時に、あまりにも自分の安易な決断に後悔すら覚え、腹が立つやら悲しさが込みあげるやら、とても複雑な気持ちになったのを今でも覚えています。

 私の赴任先である七郷中学校は仙台市東部に位置し、荒浜小学校の校区でもあり高速のバイパスによってかろうじて津波の被害を免れることができたようだが、ひび割れた外壁、大きく歪んだグラウンドの側溝、外が見える校舎のつなぎ目、全体的に傾き両端で水位の違うプールなど爪痕の残る環境で様々な制限を受けながらも、生徒たちと職員の工夫などで通常の授業が行われていた。先ず私が強く感じたのは、生徒が各々現状を正しく認識しながら明確な自己主張ができ、とても前向きに生活を送っているという”強さ”だった。中には仮設住宅から通っている生徒も多く、自宅から通えても様々な制限や生活環境とリズムの変化、その他多くのリスクを抱えながらも、生徒たちは、今ある環境に懸命に自分を順応させながら、朝の登校から学習活動と部活動、そして行事に積極的に取り組んでおり、とても印象的であった。

 そんな生徒たちの姿を見る度に、天変地異ともいえる未曽有の出来事から四カ月足らずで、『子どもたちにとっての日常を一刻も早く取り戻したい』という佐藤校長先生のリーダーシップの下、学校一丸となった“学校の力”に大きな衝撃を受けた。北海道に戻り、残された10年間の教職員生活を管理職として過ごさせていただいたが、その間ベースとしてきたのが、「生徒のためのチーム一丸」であり、自ら掲げたこのスローガンの下に過ごしてきた時間は、「少しは子どもたちに還元することができたかな」と僅かながらも自負し、とても充実した時間だったように思う。二年前に現役を退き、「感謝」と言ってはあまりにも不謹慎かもしれないが、本当に貴重な経験をさせて頂いた九カ月間だったと感じている。

 

 

現在,全国の同窓生の皆さんへ原稿依頼しています。同窓会ホームページへの掲載は,順不同になることもあるかと思いますので,予めご了承下さい。

 

 

全国の同窓生からの自由投稿,大歓迎です!お待ちしています!