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第220弾 「教」

更新日:2023/06/20

【第220号メッセージ執筆者】  喜田  篤 氏(第18期生)

第16期生荒川歩氏からのバトンパスです!

北海道苫小牧市から全国の同窓生の皆様へ

 

 

 私は、平成元年に中学校教諭として採用され34年目を終えようとしている。これまでに多くの生徒と出会い、共に過ごした日々が現在の私の教師としての糧となっている。

 初任当時、机上の知識を実践に生かすことの難しさ、個々の生徒に実態に応じた生徒指導の重要性を痛感した。その時に、教師に必要とされる対人関係力、授業観・子ども観・教育観について先輩教師の方からの指導、助言が私を成長させる貴重なものとなった。その意味でも、職場の教職員集団として練磨される機会の重要性を実感した。

 私の教職員経験年数とともに、教育を巡る情勢も大きく変化をしてきた。「国際競争力強化」をうたい、授業時数の増加、道徳の教科化等、かつてないくらいの長時間・過密の「学習」を強いられている。また、パソコンやスマートフォンの個人所有の増加に伴う、ネットトラブル、いじめ問題。共働き世帯やひとり親家庭の増加による、子どもの個食、偏食、健康的な生活時間を過ごすことの低下さらに貧困問題、性的マイノリティ等生徒個別の問題に対処すべきインクルーシブ教育の必要性が問われる状況にある。

 「教育とは、意図するところへ教え導くもの」これは、私が先輩教師に言われた言葉である。「意図するところ」とは、「子たちの将来の幸せな社会=生活」であり、「生きていく力」であると考える。その「意図するところ」が、明確であり、そのための手立てを日々考え、教職員の共通理解のうえで目指せるかというところが重要と考える。そのためには、多様化する生徒の実態を踏まえ、どのようなアプローチをするか、PDCAサイクルを基本とした協働が必要である。しかし、現在の教育現場は、これまで以上の多種多様な対応が求められ、多忙な日々が続いている。教師の職場環境は、「ブラック職種」と言われている現状にあり、教師志望者の減少も現実にみられているようだ。

 私の教師生活も残りあと5年である。これまでの教師生活の中でたくさんの喜び、悲しみ、苦しみ、楽しみを生徒とともに経験してきた。教師とは、「生徒ひとりひとりの幸せ」を願い、そのために必要なことを、日々悩みながら実践していくものだと思う。多忙で厳しい職場環境であることは変わりないが、その信念のもとこれまで実践してきたことを大切にし、この多様な教育環境に対応した教師を今後も続けていきたいと考える。

 

※現在の勤務校の校長は仙台大学の先輩でもある荒川歩先生です。また市内には多数の仙台大後輩が多数います。仙台大学の良き校風を引き継ぎ、時代を担う教職に就く後輩に期待をしています。

 

 

 

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